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Channel: 新・イメージの詩
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天晴れ保育所~炎のタイムスリーパー② 改訂版

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「丈(じょー)姐さんでも大変なんだ」
「あったりまえでしょ、先代の所長は好い人だったけど、東京でレコード会社のバイト中に知り合った広告屋に騙されてから変(おか)しくなっちゃった息子さんが継いでからは…。
 スタッフだって大勢いて賑(はやって)いたのが…今じゃあ…もうねえ。
 月に1度の避難訓練、年に2度の消火訓練以上に大騒ぎJO!…あっ、消火液、なくなっちゃったJO!
 
「火じゃ!火をもって来い!!」
「お館様、寺(ここ)は武器や火薬を大量に保管しとりますから、火は危険です!」
「虚(うつ)け者ッ!手数(てかず)で敵方(光秀)に劣ってる以上、負けは必定(ひつじょう)。せめて勝てんまでも敵方(連中)を道連れにするぐらいの器量が持てんでどうする!…おっのれ~光秀ェええ~ッ!!
 何処へ行く、蘭丸(らんまる)?!」
「…おおっ、蘭丸様!お館様は避難されることを受け容(い)れて…」
「殿(あのひと)は変(おか)しな人間(ひと)だからな…各々(おのおの)方、肚(はら)を決められいッ!」
 
「丈姐さん、『所長(あのひと)は元から変しな人間だった』って噂よカナ!
「なあに、関東の山流し男より普通(まとも)ですよ、加奈ちゃん先生
「あっ、生きる成人病…松本先生じゃない!松木所長(せんせい)…」
「成人病の怖さを知らないシンガーソングライターの松本先生ぢゃあないよ、加奈ちゃん先生
 …で、どないしはったん?新任の桐子先生消火訓練の炎(規模)が小さ過ぎてガッカリでっかぁあ
 ほいとも、ワテへの愛も一緒に消してもうたんかい
「いえ、松本先生じゃない、松木所長(先生)…桐子(わたし)みたいな新卒者が、こんな歴史ある保育所で務まるかなって」
「大丈夫でんがなァ~誰でも最初はニューカマー‐新人さんだす
 僕(わて)かて、8年も前にCDデヴューしたばかりの新人さんどすえ~、だははは
「相変わらず若い娘(こ)好きな成人病オヤジ…JO!
「おんやァああ?保育士コンテストで2位より上に行きたない、謙虚で奥ゆかしい丈姐さん。今日はまた、ごっつう御機嫌斜めみたいでんなァあ~
「バカ野郎、この野郎、誰が永遠の2番手だ?煩(うるさ)いんだJO!このバカ息子。
 アンタさえいなければ今頃は、アタイが所長として頭(てっぺん)とってたんだからね。気易く話しかけて来るんじゃないJO!セク・ハラで訴えちゃうからね」
モラ・ハラだけは堪忍してェ~なァ~えんた~てえ~な~!
「ヴぁーっ!」
「なんですかァああ、桐子先生!?」
「所長(先生)、これ見てください」
「あっ、保育(ほい)ログ…しかも、圧倒的高得点で、最低評価やァあ~ん
 …所長は実写版アンパンマン施設は無駄に広いだけ…って。桐子先生、勤務中に携帯の使用は禁止な!」
「すみません…それより所長、あの小父(おじ)さん…馬頭観音様みたいに、ずっと建物の隅っこで、にこやかに微笑んでいらっしゃるのですけど…」
「っぐゥッ、黒いマントに大きな草刈り鎌を持たせたら、まんま死神JO!
「えっ?加奈(わたし)には神様か仏様みたいに見えるけど…」
「保育所に居(お)るなら、死神より神様・仏様やろ?なあ、丈姐さん…
JO!チョッと、松本ぢゃない!松木先生、馬面に似合わないパンチパーマで粋(いき)がってるド変態みたいだから、近づくとJO!
「チョッと、無駄に体と顔が大きいだけで何の取り柄(とりえ)もなさそうな小父(あんた)、園児の関係者様だっかァ?
 そこは、関係者以外立ち入り禁止なんやけど…あんた見たことないよね?!」
私は…それより、ほら。あそこ」
「っへ?」
 
タイムスリーパー
「刀や槍を持った…おさ、おさ…」
「桐子先生ェええ、お猿さんが刀や槍を持つかいな…って!お侍様ァああ~ッ
「そこで口をグチョグチョ鳴らしてる肥満体、何奴じゃ!」
「アホンだら~、あんたらこそ何者だっ
 明日の日本を背負って立つ貴重な人材を育て上げる、神聖な教育現場に変(そんな)恰好で入って来おって…臭(く)っさいなァあ~、風呂入ってないとこ見ると、ホームレス?」
「失礼な!お館様に向かって、言語明朗、意味不明な言葉を投げつけおって…明智の光秀が迫(せま)ってなくば一刀の下(もと)に斬り捨てるところだぞ!」
「まァたぁ~映画かテレビの撮影でっしゃろう
 頭も月代(さかやき)に剃り上げてリアリティー演(だ)してもうてェえ…ロケ(そういうこと)はね、先に撮影許可を取ってから撮(や)んなはれ
 ほり、帰った、帰った。シッ、しっ!」
「…ぶ、無礼な…珍妙奇天烈(ちんみょうきてれつ)な衣服なんぞをまとりおって…お館様がお許しになられても、この森蘭丸(もり らんまる)が許さじ!
 明智の手の者か、徳川か!?神妙に裁きを受けいっ!!」
「しょ、所長…本気と書いて…JO!
「マジだ、丈姐さん…桐子先生、携帯で警察へ…」
「えっ?さっき禁止(だめ)だって言うから…痛いッ!鞘(さや)で叩き落された…」
「そんなカラクリ箱ごときで、この、織田信長に勝てると思うか虚(うつ)け者っ!」
「きゃー、やだっ!織田(このひと)本物の刀、抜(もってる)!?」
「武士を愚弄しおって…なんとか言わんかッ!このぉ…百貫…」
「…い…い・いらっしゃいませぇええ~…
「ゾウさん時計(南蛮の獣を象:かたどったからくり時計)…大勢の小童(こわっぱ)と女子(おなご)衆…貴様ぁ、何を企んでおる!
 …さては、憎(に)っくき高野山と組んで、新たな密教を起(た)ち上げおったかッ!!」
「ち、ちが、ちが違いまンがなァああ…
 ここは保育所と云って、子供たちが健(すこ)やかに育つよう教え導く場所でんがな!」
「ぬゥわんと、新しい寺子屋かッ!?」
「て、仕立て屋(テーラー)古谷(こや)さん、だっか?
「ぬゥわにィ!やはり、高野山の分院かッ!」
「所長(あんた)が変なこと云うから…顔真っ赤にして怒ってるう~JO!
「済まぬ、丈姐さん!
「虚(うつ)けじゃった…本能寺の敷地内(なか)に、かような施設(とこ)があったとは…知らなんだ!」
「まあ、立ち話もなんやから…所内(なか)で珈琲(おちゃ)でもせえへんかァああ~

現在・過去・未来

「お館様、カーテン(これ)で新しい着物を仕立てられたら、さぞや奥方様も、お悦(よろこ)びになられるかと」


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