これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
下記に関連書籍(青文字クリックで全文が通読できます)を、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
(故マックス・ゲルソン 著)
ゲ ル ソ ン 療 法 治 癒 し た 5 0 人
(故マックス・ゲルソン 著)
(マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
(ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー)
(5生存率0%の大腸ガンから肝臓へと転移した医師、星野仁彦:著)
(日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―消化器外科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
(2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
妻は敬虔(けいけん=うやまいつつしむ気持ちの深い)なクリスチャンである。これまで、そんな縁起を担(かつ)ぐことなどなかった。その時の彼女は不安を取り除ければ、何でも受け入れていたと思う。それだけ不安が大きかったということだ。
数日後、妻が、いつもより早く病室を訪れた。嬉(うれ)しそうな表情を浮かべている。
「昨日の夜、母から連絡がありました」
ああ、そうか―と、思った。福島市内に住む妻の母親が、「よく当たる」と言われている占い師(うらないし)に私(星野)のことを占ってくれるように頼んでいたのである。霊感を強く感じる日だけ占う人で、「名前と生年月日だけでピタリと当たる」と、評判だった。
「結果はどうだった?」
聴(き)かなくても、病室に入って来てからの妻の表情を見ていれば察しは付く。
「心配ないそうです。『この人(星野)は自分の力で治して行くでしょう』と云われました。ただ…」
「『ただ』どうした?」
「『むしろ私(妻)の方が落ち込んでいて心配だと言われた』らしいんです。そんなことありませんよね?」
私(星野)のことが心配ないと云われて不安が抑(おさ)えられたのか、いつもの笑顔を浮かべる妻は、たしかに"落ちついている"とは思えなかった。ただ、嬉しそうに話し続ける妻の精神状態は精神科医として診(み)ると軽い強迫性障害(強迫神経症)に陥(おちい)っていると判断できた。強迫性障害とは、自分で不合理だと思う考えや行為に付きまとわれ、それを抑制(よくせい=おさえる)することが出来ない症状のことだ。
ちなみに占い師の例の予言は、結果的に、それからの私(星野)のガンとの闘(たたか)いをピタリと言い当てていたことになる。
妻には夫が死ぬかもしれない、という強迫観念があったようだ。息子たちの将来に対する不安もあっただろう。(1990年代)当時、長男は高校進学を控えた中学3年生、二男は中学1年生。そんな時期に私(星野)を失ったのならば息子たちは、どうなるのだろうか。妻は想像する度(たび)に独(ひと)りで、もがき苦しんでいたはずである。敬虔(けいけん)なクリスチャンだった妻が、東洋に伝わる民間療法的な占いを受け入れたのは強迫性障害が原因だったと考えられる。
根拠のあるなしに限らず、思い込みが意識を侵食(しんしょく=むしばまれ)して精神的な病(やまい)になるのは、精神医学の常識である。病は物理的なことだけが原因とは限らない。ある光景を見た。あるひとことを聴いたというだけで心の病を患(わずら)うことは、よくあることだ。
妻に落ち着きが戻って来たのは手術後、だった。不安を抱いていた全身麻酔の手術が無事に成功したこと、そして病院側の計(はか)らいで切除されたガン細胞を自分の眼で直接見たことが大きかったようだ。
私(星野)が麻酔から覚(さ)めるのを待っていた妻の声は、いつも以上に優しかった。
「あんなものが、あなたのお腹(なか)の中にあったなんて…。でも『全部切った』と云っていましたから、もう大丈夫(だいじょうぶ)ですね」
妻は眉(まゆ)を顰(ひそ)めて「あんなもの」と、ガン細胞を敵視するように言った。あんなもの―が私(星野)の体内から取り除かれたことが確認できて安心したのである。