これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
下記に関連書籍(青文字クリックで全文が通読できます)を、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
(故マックス・ゲルソン 著)
ゲ ル ソ ン 療 法 治 癒 し た 5 0 人
(故マックス・ゲルソン 著)
(マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
(ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー)
(5生存率0%の大腸ガンから肝臓へと転移した医師、星野仁彦:著)
(日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―消化器外科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
(2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
「また明日、来ます。ゆっくり休んでください」
妻が去ると病室は静まり返る。独(ひと)り残された私(星野仁彦)は、自分がここに居ることに現実感が湧かない。夢の中にいるようなのだ。妻が自宅から持って来てくれた医療文献に眼を通しても、思うように読み進めることが出来ない。一語一語の意味は理解できるものの、文脈を読むことが出来ない、のである。
気分転換に枕元に積み上げていた歴史小説や推理小説を手に取ってみた。それすら理解不能な呪文(じゅもん)でしかなかった。1日中読んでも飽(あ)きることがなかった司馬遼太郎や夏木静子の小説が、まるで楽しくない。
新聞を手にしてみた。朝刊の一面には旧ソビエト連邦の民主化政策によってロシア共和国が市場経済への参入を図(はか)る記事が掲載されていた。二面にはロシア民主化に端(たん=起因、原因)を発した日中関係の変動に警鐘(けいしょう=危険を予告し、警戒:けいかいを促:うながすもの)を鳴らす社説があったように記憶している。しかし、そんな社会事象(しゃかいじしょう=社会的なできごと)も自分とは別世界の出来事のように感じられた。
離人症の状態はさらに悪化して行った。目の前で起こることにも、さらに関心が薄らいで来た。
妻は毎日、病室を訪れ、着替えを手伝い、食事を見守る。そして面会時間が終わる頃に、必ず笑顔で一言残して帰って行く。
「本を読み過ぎて疲れないようにね」
私(星野)は。そんな妻の行動や言葉がテレビドラマのワンシーンを見ているように思えてしかたがなかった。見舞いに訪れる友人たちも、ドラマに新たなキャスト(登場人物)が登場して来るようなものだった。
入院前に考えていた医療現場への関心も、いつの間にか薄らいでいた。日頃から親しくしていた回診医も、点滴を取り換(とりか)えに来てくれる看護師も、行動パターンを完璧にプログラミング(組み込まれた)された優秀なロボットのように映(うつ)った。
奇妙に感じていた自分の一連の感覚は、すべて離人症(りじんしょう)の症状にピッタリと符合(ふごう)した。精神科医でありながら、その当時は自分の症状を客観的に判断することができなかったのである。仮に離人症であることを自覚できていたとしても、(1990年代)当時の私(星野)には、そこから抜け出せる術(すべ=方法)が無かっただろう。ベッドに横たわり天井(てんじょう)のシミを見つめる私(星野)は、その時、ひとりのガン患者に過ぎなかった。