これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
下記に関連書籍(青文字クリックで全文が通読できます)を、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
(故マックス・ゲルソン 著)
ゲ ル ソ ン 療 法 治 癒 し た 5 0 人
(故マックス・ゲルソン 著)
(マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
(ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー)
(5生存率0%の大腸ガンから肝臓へと転移した医師、星野仁彦:著)
(日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―消化器外科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
(2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
確かに彼の言うとおりである。ガンを想定させる症状がどんなに有(あ)っても、ガンだとは断定できない。検査の結果次第(けっかしだい)では、ただの思い過ごし、ということもある。レントゲン写真にガンらしきものが写(うつ)っていても、良性の腫瘍という可能性もある。そう考えると、少し気持ちが楽になった気がした。
「そうだな」
「そうですよ。明日、午前中に検査をして、午後にはレントゲン写真が仕上げるようにしておきます。健康保険証を忘れないように持って来てください」
「健康保険証?そうだね。じゃあ、明日、よろしく頼むよ」
カンファレンスルームを後にした私(星野)は、まだ可能性でしかないという思いから、ほんの少しだけ安心した。ほんの少しだけ、である。精神科の医局に戻った私(星野)はガンのことを考えないように仕事に没頭(ぼっとう=集中)した。
翌日、私(星野)は玄関で靴(くつ)を磨(みが)きながら思い出したように、「健康保険証を出して欲しい」と妻に頼(たの)んだ。
「どこか具合でも悪いんですか?」
妻は取り出してきた健康保険証を手渡しながら、私(星野)の顔色を窺(うかが=さぐる)っている。
「(1990年3月17日の)最近、ちょっと太りすぎたかな、と思ってね。後輩に頼んで検査をしてもらうんだよ。検査の結果はすぐに分かるから、連絡を入れる」
連絡を入れる―という言葉に安心したのか、妻は黙(だま)って頷(うなず)いた。まだ何もはっきりしていない段階で、いたずらに不安にさせることはない。
検査は肛門(こうもん=しりのあな)からバリウム(造影剤:ぞうえいざい)を入れ、X線写真を撮(と)る大腸透視(だいちょうとうし)検査は予定どうり午前中に終了した。
精神科の医局に戻った私(星野)はデスクに座り、窓枠(まどわく)に切り取られた外の風景を漫然(まんぜん)と眺(なが)めた。すべての葉を落とした木々の枝が寒そうに風に揺(ゆ)れていた。春の訪れは未だ、である。
そろそろ検査結果が出る時間である。電話に目を向けると、私(星野)が催促(さいそく)したかのように呼び出し音が鳴り始めた。受話器をとると後輩の声が聴こえて来た。
「レントゲン写真が届(とど)きました。今から、こちらに来られますか?」
少し沈んだような声に聞こえた。それを察したのか、後輩は話を続けた。
「まだ見ていないので結果は解りません。これから、です」
「すぐに行く」
「お待ちしています」
私(星野)は受話器を置くと、すぐに医局を出た。これで全てが分(わ)かる。ガンでなければ、全てよし。万一ガンであっても、冷静に対処(たいしょ)することで道は開けるはずだ。
昨日も訪れたカンファレンスルーム(『会議室』てんじて、相談室)に私は躊躇(ためら)うことなく入った。不安はあったが昨日よりも気持ちは落ち着いていた。検査結果がどうであれ、すべてを受け入れる心の準備は出来ている。私(星野)は精神的に強い人間なのだ―その時までは、そう信じていた。