これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
下記に関連書籍(青文字クリックで全文が通読できます)を、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
(故マックス・ゲルソン 著)
ゲ ル ソ ン 療 法 治 癒 し た 5 0 人
(故マックス・ゲルソン 著)
(マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
(ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー)
(5生存率0%の大腸ガンから肝臓へと転移した医師、星野仁彦:著)
(日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―消化器外科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
(2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
あるパーティーに参加した私(星野)は罪悪感に包まれながら、自宅の前でタクシーを降りた。また、酒を少し飲んでしまったから、である。精神医学を探求して来た男が、なんと精神的に脆(もろ)いことか。つい食事制限を緩(ゆる)めてアルコールを口にする。そして、後悔する。私(星野)はタクシーの中で、ゲルソン療法3年間を思い出していた。そして積み重ねて来た努力が水泡に帰す不安に恐れ始めると、二人三脚で私(星野)を支(ささ)えてくれた妻の悲しそうな顔が浮かんで来た。
(情けない精神科医だ)
私(星野)は後悔で重くなった身体を引き摺(ひきず)るように自宅に入って行った。
「おかえりなさい」
妻は居間でお茶を飲みながら、私(星野)の帰りを待っていた。私(星野)は妻の顔をまともに見ることが出来ずに、キッチンに入り、コップ1杯の水を飲みほした。振り返ると妻が私(星野)をジッと見ている。私(星野)は思わず目をそらした。
「何かありましたか?」
私(星野)の挙動不審(きょどうふしん)な行動を見れば、当然の質問だった。返す言葉がすぐに浮かばなかった私(星野)は、手に持っていた空(から)のコップに目を落した。
「お酒を少し飲んでしまった」
この期(ご)に及んで嘘をついても仕方がない。私(星野)は済まなそうに言いながら顔を上げた。以外にも妻は嬉しそうな表情を浮かべている。不思議だった。妻は悲しい表情を浮かべるモノだと思っていたからだ。
「久しぶりだから、美味しかったでしょう」
この言葉は、さらに意外だった。妻は私(星野)を、まったく咎(とが)めようとはしない。それどころか、誘惑に克(か)てなかった私(星野)の行動を容認してくれたのである。
「美味しかった、で、いいのか?」
「美味しくなかったんですか?」
久しぶりの酒は、たしかに美味しかった。「五臓六腑(ごぞうろっぷ)に染み渡る」とは、こういうことかと思えるほど、私(星野)の身体はアルコールを歓迎した。あの感覚は、(2005年の)今でも思い出せるぐらいである。だからといって、この調子で誘惑に負け続けていたから、ガンを再発させる身体に戻ってしまうのは目に見えていた。
「私(星野)は弱い人間だ」
私(星野)は溜息(ためいき)まじりに、そう呟(つぶや)いた。
「だったら、今月は、もう、お酒は禁止しましょう」
妻の言葉に私(星野)は罪悪感から逃れたような気がした。そして、あることに気付いた。私(星野)はいつしか、自分1人でガンと闘っている気になっていたようだ。しかし、ガンになってからずっと、私(星野)の横には妻がいた。私(星野)と同じ食事を摂(と)り、私と同じようにツラい思いをして来た妻がいた。いや、私(星野)よりもツラい思いをしていたかも知れない。
私(星野)1人で誘惑に克てないことは明白だった。しかし妻と一緒なら勝てる。そうやって3年間、厳しい食事制限を守って来たのである。
「今月は禁止、か」
「はい。ちゃんと私がチェックしますからね」
そう言いながら微笑む妻を見て、その存在の大きさに胸が熱くなった。
それからパーティーや宴会に参加する日は、私(星野)が帰宅すると、妻は玄関まで出迎えるようになった。その場で酒を飲んで来たかどうか、チェックをするためである。
「息を吐いてください」
そういう妻に向かって、私(星野)は息を吐き出す。匂いでチェックをするというわけだ。アルコール漉きの私(星野)は多少、飲んでも酔ったりはしない。表情も変わらない。チェックするためには吐き出した息を嗅ぐのが一番、だったのだ。
「飲んでないですね」
「今月は禁止だろ?飲むわけがないよ」
「そうでしたね」
妻は確認が終わると、私(星野)のバッグを抱えてクルリと背を向けて、キッチンに歩いて行く。
飲むわけがない、という言葉は私(星野)の強がりだった。飲むわけがない酒を飲んでしまったのは、私(星野)なのである。妻の厳重チェックをかいくぐることは不可能だと思った。
(これで2度と、コッソリ飲むことはないな。さすが私(星野)の妻だ)
そう思いながら、靴の紐をとき始める私(星野)は心の中で妻に感謝した。