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マリザ~28年(にっぱち)生まれで嘘っぱちのヤケッパチな天使~

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 マッチー!この妄想は所々事実に基ずいてはいるものの 、殆(ほとん)どは私の口から出まかせによる出鱈目(でたらめ)なフィクションであり、登場人物と実在人物は何ら関係あらへんがね…ピョン!
 と、「誤解されないように」と頼まれたから、テロップ流しとくがね~!
オッキーの悪い癖が始まったッス2013-12-28 06:36:21
 
 マリザ―eu te amo de verdade eternidade(君を愛しているよ 本当に心から 永遠に)

 「…いいかいキミたち?先生と呼ばれる人達って、どういう人たちか考えてごらん」
 「…う~ん、わ~かんな~い(chaings)」
 「ほう…また随分(ずいぶん)と諦(あきら)めるのが早いんだね~キミたち。まるで、にっぱち世代みたいに、考えたがらないんだな~」
 「だァれ~、それ~?わかァ~んなァ~いィィイ~っ!考えンの、苦手だJO!」
 「dru娘(どらむすめ)、わかンなァ~い♡」
 「いいかい?もう1度、よ~く、考えてみようね~。人間は考えることで、脳の細胞が増えて行く動物なんだよ~」
 「ええ~…じゃあ、痴呆症や脳が縮んで行くような病気なんか治っちゃうじゃ~ん♡」
 「そうだね、常に何かを考えてさえいれば、脳細胞は無限に増えて行くんだから」
 「きゃ~、こちら、ウソ臭そ~(カナ!)」
 「ウソ臭くない人なんていないだろ?だから人間は皆、ウソから自分を守るために、自分だけではなく、他人(ひと)にも嘘を吐(つ)くんだよ。
 さあ、よ~く、思い出してごらん?自分や他人(ひと)が、誰かを『先生』と呼んだ時の状況(こと)を」
 「北海道出身の道産子(どさんこ)娘、丹波りんは真面目だから、騙(だま)すのも騙されるも嫌い。だから、わかんナァい~っ」
 「ほう…じゃあ、教えてあげよう。
 いいかい…自分に対して何かをしてくれる人、自分を助けてくれる誰かに対してのみ、尊敬をこめた装(ふ)りをして『先生』と呼んでいたんじゃないかい?」
 「え~とォ…私を診察してくれる人だから医者(先生)…法律で助けてくれる人だから弁護士(先生)…勉強を教えてくれる人だから教師(先生)…お金や仕事を回してくれる人だから政治家(先生)…保育所の経営者だから所長(先生)…埼玉の広告屋さんだから社長(先生)…Wクリームのロールケーキを持って来てくれるからオッキー…。
 ほんとうだあ、あなた外国人のくせに、ひねくれてるゥ~♡」
 「ひねくれてるわけじゃない。世に通じているだけ、だよ~!
 …まあ、その意味でキミたちは、私を楽しませることで癒してくれるから、可愛い先生、ってとこだな…お尻触っちゃうゾ~!」
 「きゃ~、いや~ん!」
 「い、磯貝。どうして、お前が横(ここ)にいるんだ?」
 
うちら怪しい音楽隊…CHAINGS!2013-12-28 06:48:
 
 「ここに居る…個々に居る…個々に入る…ここに入る…ココアに入れる…。
 あ~あ、ダメだ。こんなんじゃあ、何のインパクトも感動も与えられない!俺は才能が枯れてしまったんだろうか…」
 「寅さんや。酒飲む時くらい真剣な表情(顔)するのよしなよ、みっともない。酒はね、みんなで楽しく、パ~と飲むもんなんだからね!」
 「まったく、お気楽で悩みの1つも思い浮かばない中小企業の社長さんは、いつも楽しそうでイイねえ~。ええ、この、タコ社長?音楽業界と一緒で、今や冬の時代に突入して、貧しくて侘(わび)しい、寂(さび)れた保育所みたいな製造業は、いつみても陽気・元気・やる気に溢れた松本則彦の能天気なセカンド・マキシ・シングル『愛しのリンダ』みたいでいいや。
 なあ?この1坪地主ならぬ、ヤサグレタ製造業界に生息する蛸壺(たこつぼ)社長!」
 「お、義兄(おにい)さん…それは、チョッと、言い過ぎじゃあ…」
 「おお、そうだ博。このフラフラ遊び歩きながら、意味(わけ)のわからねェ広告書いてるチンドン屋に、もっと言ってやってくれ!義理の兄貴だからって遠慮するこたあないぞ~!」
 「なあにを~このデコ助社長…お前なんかタコじゃもったいない。タコより不味いクコだ、クコ!
 クコの葉は茂って見栄えがいいが、お前の頭はツルッツルで見苦しいんだよ…真っ白な頭を見てると原稿用紙かケント紙、画用紙を思い出しちまう。
 そうだ、社長(おまえ)の頭にイタズラ書きしてやるから、ちょっと貸せ…」
 
ギター持って来て、なぜにPCと戯れてる?By大羊2013-12-28 06:58:59 
 
  「な、なにすンだよ…!
 こんのお…相手の都合も考えずに勝手に惚(ほ)れるからフラてばかりいる、ジャイアント馬場とアントニオ猪木を足して、上田馬之助で割ったように崩れた出来損ないの豆腐みたいなツラしやがって…!」
 「お兄ちゃん。それ以上、面白いこと言って笑わせたら、ほんとうに怒るからね!」 
 「さ、さくらア…どうして、お前は怒っても美人なんだ?博なんか離婚(や)めて、俺と一緒にならないか?10万…100万出せる者なら出してやるぞ!」
 「何つまんないこと言ってるの。ホントに怒るわよ…はい、昔のお友達から電話」
 「昔のお友達、って誰だ?カカシの孝君か、ブログ仲間のサンズイに青い水の人か?青い水の人なら、会ったことも見たこともないぞ」
 「なんでも、蒲田のレコード会社で配送のバイトしていた、ブログの更新をしないで、他人様に妄想話を書かせてヒッ(アクセス)ト数を上げて宣伝に利用しようと企んでる保育所の所長さん、だそうよ。
 長距離電話、高いんだから、早く出てちょうだい。まったく、迷惑以外の何物でもない男(ひと)なんだから!」
 「お、おお…確か、趣味が昂じて誰にも求められていない自主制作のCD作って売(だ)したはいいが、アマゾンのレヴューじゃあ知り合いから持ち上げられてるだけで、肝腎のCDが売(う)れ残っちまって、部屋の片隅に追いやられちまい、愛犬のマーサと一緒に犬小屋で膝を抱えて眠っているとかいう、ヤサグレたチンマイ短足・胴長チンチクリンの松本とかいう奴だろ?
 やめときな。松本(やつ)と関わるとロクなことにならねェから。さっさと子器(電話)切って、塩で白魚のような指と、ふくよかな可愛い耳を清めといで。俺はいねえ。仕事で事務所に泊まり込んでて、1カ月以上帰って来てねえと言っといてくんな」
 「馬鹿ねえ、全部、聞こえちゃっているわよ…電話代、高いんだから、早くでなさいよ!」
 「…あ~あ、もしもし。音楽事業に疎い埼玉の寅だけど、松の字?おお、元気だったよ。久しぶりに逢いたいね~。どうだ、今度、一緒に飯でも喰わねェか?酒でも飲んで、音楽事業の苦戦話を聞かせてくれよ。友達だろ?仲良くやろうぜ~」
 
夜明けの牛蒡茶、置いときますよBy STO2013-12-28 07:00:16 
 
  「音楽事業が苦戦している時に、なにも、信用できない広告屋の尻馬に乗って、音楽コンクールなんて催(や)らなくてもいいでしょう?
広告屋なんて、いい時だけ寄って来て、悪くなった途端に、ネズミより早く逃げ出す、口先だけの小賢(こざか)しい、見栄っ張(みえっぱ)りで最っ低な人種なんですから…完全に潰れちゃいますよ、この会社」
 「世の中には『焼け太り』という言葉があるそうでな…埼玉のイカしたスーツ着た広告屋が言うには『コンクールの参加者から登録代金として3千円を集めて、千人がとこ集まれば3百万。なァ~に、広い屋外会場を押さえて、ポッと出の若い兄ちゃん(イベンター)に、『終了後とっ払い』の約束で仕切らせて、踏み倒しゃぼろ儲けできる』そうだ。
 それ以外にも『客は参加者が連れて来る。参加者1人につき、家族や友人を連れて来るから黙っていても3~5千人はだろう。入場料金千円としても3~5百万円だ。上手くすれば、1日で1千万円がとこ、懐(ふところ)に飛び込んで来る』そうだ」
 「『4つの苦労(山)を乗り越えて、4つの会社を併(あわ)せたみたいな、富士山のようにデッカイ会社にする』って言ってた、創業時の理想はどこ行っちゃたんです…社長!?」
 「夢(理想)なんて甘ッちょろいこと言ってたから、ここまで追い詰められちまったんだ…『ビジネスは、死ぬか生き残るか―喰うか喰われるかの闘いだ』って、羽振りのいい調子で酔っ払ってた埼玉の広告屋が言ってたぞ?
 ウマい話には誰だって乗りたがるもんじゃねェか…こうなりゃあ、一世一代の大博打(おおばくち)に討(う)って出たくもなる、ってもんだ。
 なっ、これが最後だ…一緒にやってくれないか!」
 「大博打って…諸々(もろもろ)の経費を払(ひい)たら、何も残らない(行って来い)か、トントン(ギリ赤)じゃないですか」
 「だから、だよ!全ての経費は後払い。全部踏み倒して、会社も潰(たた)んじまうんだ!
 会社経営は有限責任で、個人に責任はない…借金なんて、知ったこっちゃない。山四(やまし)の名に恥じない、最後の大勝負に挑戦しようじゃないか!」
 「それじゃあ、ほんとの山師、になっちゃいますよ…いいんですか、それで?社長!?」
 「山四が疚(やま)しい山師、か…もう、どうでもいいや!」
 
どうでもいいなら帰ろうよ~Byガ~マちゃん2013-12-28 07:10:56
 
 …どこでもいい。南国の暑い日射しを浴びて、光る海を見ながら、テラスでビールを飲むとしよう。たとえ、それが「たった1週間の休みで、来週には気忙しく帰りの飛行に乗り込まなければならない」としても―。
僕の胸に残る愛しい女(ひと)の残像(おもかげ)だけが、緩慢(ゆっくり)と溶け出して行くのを、時の流れに任せて見ていたいのだ。

 「なんで、急に大道具係なんか、やらせるかな…こう見えても俺っちは、宮大工の…こらあ、バイト!サボってねェで、チャッチャと掃除(かた)して酒飲みいこうぜ~!」
 「源さん、頑張ってるねェ~」
 「あっ、松木P(プロデューサー)、夜でも、おはようございます。テレビ、中継(はいる)んですか?」
 「う~ん…まあ、期待していて。いいセット、期待してるからね」
 「ま、任しといてください!こう見えても、宮大工の…あっ、清田D(ディレクター)、朝でもないのに、おはようございます!新番組、見てますよ。貧しい子どもと年老いた愛犬の物語、『フラダンスの犬』。
 ぎっくり腰になっちまった少年の愛犬”パトライト”は、やっぱり教会に掛けられていた大きなドッグフードの絵の前で飢え死にしちまうんですかい?」
 「熊さん、それは内緒だよ。それより、今回も、いい仕事期待してるよ!さあ、行きましょうか社長」
 「あれェ?誰かと思ったら棟梁(だいく)の八(は)ッツァンじゃないか~、久しぶり!どう、元気でやってる?
 会社(うち)の発注(オファー)受けてくれたんだ。ありがとうございます」
 「お蔭(かげ)さんで…熊田源八なんて名前なもんで、なかなか”あれ”ですが…それより、今日は”怪しい業界人”が、やけに多く来てるんすね、山四社長?」
 「ああ。みんな視聴率が揮(ふる)わずに夜逃げの準備している奴らばっかりだからな。まあ、気にしないで、いいセット作ってよ。期待してるよ!」
 「は、はい!……って、ギャラ、出るんだろうな…お、おい、バイト。そこじゃねェ!そんな場所(とこ)に、ソフト・ビニール(ソ・フビ)の怪獣置いてどーすんだよ!誰が、怪獣、背景(バック)に歌うってんだ?誰が!
 どんな歌手なんだよ、まったく…松本則彦かよ!?」
 
師走の電車は混んで酒臭いからヤだよ…仲チャン2013-12-28 07:16:46 
 
 日常の意味あいが、取り敢(あ)えず“いま”南国(ここ)にいることを思い出させてくれればいい。誰も知らない南の島まで辿(たど)りつけた幸せを、誰に感謝すればいいのだろうか…そう、僕の知らないブラジル(国)で生まれた愛しい女(ひと)に出会えたことを、ゆっくりと肯(うな)ずける時間に、一瞬(ひととき)の間だけでも浸(ひた)っていたい。
 愛とは、決して後悔しないこと―そう。僕たちは、確かに日常生活から隔絶され、異なった時間の流れに漂っていた。
 マリザ…君に逢えない、こんな夜は…独り星を見つめる僕の胸は、切なく疼(うず)くんだ。ああ、マリザ…君が恋しいよ。
 マリザ。南の国で生まれた太陽の恋人。仄(ほの)かな土の香りは、まるで墓場から甦ったばかりのゾンビのよう…チャウやろ!

 関西文化発祥の地として、誰からも認められていない兵庫県宝塚市にある、大きなゾウさん時計がある保育の隣に建(た)つ、古びたようかん―そう、カビだらけで固くなってしまい、食べることのできなくなった、小豆(あずき)を煮固めた、日本古来のお菓子…それは羊羹だ…失礼!
 その蔦(つた)が絡まる洋館を、表向きは地域住民のための中核医療を担うためとして―しかし、その実態は、己の私腹を肥やすために設立された宝塚過激男病院。そんな古めかしくも怪しい病院の診察室に、暗い表情で診察の順番を待つ、独りのチンチクリンな男がいた。
 
マリザは死霊のハラワタだったのねBy輝美2013-12-28 07:20:05
 
 男の名前は、松本則彦。昭和28年生まれであることから、 2009年に『にっぱち』というマキシ・ミニ・アルバムを発売した保育所の園長先生だ。その後、間髪を入れずに、セカンド・マキシ・シングル『愛しのリンダ』を発表した音楽家の顔も持つ、マルチな才能を持つ喜劇人として、周囲に自分を誇張して喧伝する「一歩間違えばトンでもない広告屋」に成れるほどの、裏の才能を持ったデブチンだ。
 しかし、地元では有名な極楽トンボとして知られており、山梨名物のホウトウ好きな放蕩(ほうとう)息子としての名前の方が、はるかに知れ渡っていた。知らぬは本人ばかりなり、である。
 この物語は、親類縁者はおろか地元住民、保育所に通う保護者や園児たちからも「アホンだら~」と蔑(さげす)まれている則彦に、診察室から出てきた桜色の頬をした、金髪の南国(ブラジル)娘が、無邪気に話しかけてきたことから始まる。
 そう『愛とは決して後悔しないこと』を伝える、純愛ラプソディーなのだ…う~ん、相変わらず枕が長いゾ…オッキーナ!

 「コンニチハ、社長さん。儲カッテマッカ?」
 「ボチボチでんな」
 「ナニ、シニ来タ?コノすけべ」
 「もう齢(トシ)なんで…ちょっくら、どえらく効(き)く薬を買いに来ましたン」
 「ホウ~、サイデッカ。ソウデッカ。ホナ、サイナラ」
ほな、さいなら~Byオッキーナ!2013-12-28 07:23:59
 
 さすがは今まで「変態」・「気違い」・「色魔」・「ブログも更新しないで他人様に下手な妄想を無償で書かせてヒッ(アクセス)ト数を稼ぐ歌う悪魔」。「『にっぱち」じゃなくて『うそっぱち』etc,エトセトラ…と嫌われて来ただけのことはある。
 実生活では友人・知人もなく、人間はおろか犬や猫からも?気軽に声を掛けられたことのない則彦だ。そんな男だけに、"地球が引っ繰り返って"も調子を崩すことなどありえない。
 しかし、世間の常識を覆すことを唯一の"おたのしみ"にしている男だけに?『調子を崩した』とブログでウソの報告を更新して、そのブログ(嘘)を真実(本当)にすべく、近隣の病院へ、診察に訪れたのが災いした。
 病院(そこ)で、今まで見たこともなければ、逢ったこともない、ナイスバディーなラテン系の美人さんが直々(じきじき)に、眩(まばゆ)いばかりの天使の笑顔を振りまきながら、話しかけてくれたのだから…さあ、たいへんだ!? 
 「舞い上がるな、則彦!」と、言う方が無茶だ、麦茶だ、武藤ちゃんだ。いや、そりゃ無理な話である。なんたって、生まれてこのかた、1度たりとも、女性と2人きっりで話したこともなければ、あんなことや、そんなこともしたことがないくせに、東京は蒲田にある東芝音工―クラッシク愛好家からは「東芝EMI(エミー)」の名で親しまれているレコード会社の配送アルバイトとして知り合った、現在では“埼玉の寅”の異名を持つ「傾きかけた広告代理店の店主」とストリップを鑑賞し、団子鼻と情けない下半身を膨らまし、鼻血とチョメチョメを噴出した永遠のル・サンチマンなのだから無理もない。
 
「にっぱちがうそっぱち」なしてわかった?…オッキーナ!2013-12-29 06:57:33 
 
  「これは地球崩壊の前兆として神様が"お情け"で、星一徹の如く真面目一徹に生きて来たワテに、ご褒美をくれたに違いないンや…高血圧と高脂肪血症で心臓がバクバクいおうと、背中が腐る寸前の砂肝みたいにコリコリに固まろうが関係あらへン!
 ワテは我慢せぇへン人間なンや…何が体に悪いたって、我慢ほど体に悪いもンはないいンや。
 早撃ちマックと呼ばれようと、三擦(みこす)り半と嘲(あざけ)嗤(わら)われようが、かまへん!
 誰が何と言おうと、誰に何と言われようが、ずゥえったいに、このチャンスを逃してなるものか…猫が9回生まれ変わっても、一生に1度あるかないかの最後のチャンスやさかい、この千載一遇のチャンスを、ものにせずにゃあおられまへんがな!
 ストーカーとして訴えられたかて、かまヘン…絶対に、彼女の正体を暴(あば)いたる!

 お、おい。おい。長い決意表明の割には、ソッチ、なのか?それで本当にいいのか?それだけで終ちゃっていいのか、則彦~ッ!

 しかし、実際の神様は無常だった。なぜならば神様は病院で一番―年配の看護師に命じて、血気にはやる則彦の邪魔をしたのである。
 カボチャかスイカのように丸マッチー?首っ玉を、イタズラ盛りの仔猫を諌(いさ)める親猫みたいに引っ掴んで、診察室質へと攫(さら)って行かせのだ。
 さすがに"ヤンチャでオイタ"な則彦も、ことこれに至っては、贖(あがな=ていこう)しようがない。まさに『借りてきた猫』状態だ。
 こうなってしまうと、さすがの悪童…ヒヒオヤジも、手の出しようがない。しかし、人生最初にして最後で最大のビッグチャンスが訪れているのだ。誰が諦めきれようか!
 意地でも、一見してブラジル生まれと分かるエキゾチックな南国娘の跡(あと)を尾(お)いかけたる!そう張り切る野暮天(やぼてん)則彦は、膨大な借入金を目の前にしても見せたことのない、一大奮起をみせた。
 
鑑定団から探偵、面白いか?Byワーズワース2013-12-29 07:24:36
 
  顔の真ん中で胡坐(あぐら)をかいている団子っ鼻…失礼m(__)m出端(でばな)を挫(くじ)かれた思いが被害妄想となり、巨大なマグマの塊として、一気に爆発したのだ。
 「やだ、やだ、やだ~やだ~イっ!」

 お、おまいは子供か・!

 首っ玉を引っ掴まれて、本当に浮足立った上で、ジタバタと少年隊の歌みたいに暴れたのである。
 こうなると、悪魔の使いか地獄の使者か。はたまた脱衣婆(だつえば)の如く忌み嫌われた看護師も、呆れるほかにてはない。則彦は手が緩(ゆる)んだ隙に、一層の子供じみた抵抗を試みた。
 「い…い~たった・たっ・ったァ、イ~たったァい♬」能天気にラップを歌ったかと思うと、一転して太り過ぎて回るはずがない首をむりくり捻じ曲げて続けた。「痛(い)ッたいなァ~、もうッ!なにさらすンねん、このアホンだら~?!」
 
オッキーを返せ!♡2013-12-29 07:25:59
 
 いくらワテが、イタズラ盛りの仔猫みたいに可愛ゆいからって、キューっとむしゃぶり付きとうなるほど魅力的な首っ玉ひっ掴んで(診察室へ)連れて行くなど、人権蹂躙(じんけんじゅうりん)も甚(はなは)だしいやろォ~!もそっと、大人しゅう、あつかってくンんなましィ~!」
 「ア~ら、園長先生。いつから大人になられましたン?」
 「アホ、かァあ?昭和48年に成人式を迎えた日から立派な大人じゃい!いつまでも子ども扱いすなッ、犯すぞ。こんのォ…どアホンだら~!」
 「やっぱり、堪(たま)ってたんだ…年齢的にも再就職先が見つかりそうもない、皺だらけのお婆(ば)ちゃんでよければ相手したってもエエねんで?」
 「あ、あほんだらァア~…こ、こんのォ、エロばばあ!ものの喩(たとえ)じゃ、こン、糞婆ぁ…。
 …だァ~からァ~!せくすぅ~いな首根っこ、触ンなッ、っちゅうとンの!放(はな)しんしゃい~」
 「いつも園児たちと戯れてるから知(わか)らなかったんよ…ほたら、大人しゅう新しく入った内科医(先生)の診察を受けンねんな?」
 則彦の首根っこを引っ掴んでいた看護師が手を放すと、私生活そのままに、だらしなく?床へ崩れ落ちて行った。
 「センセ~、看護師(こいつ)がワテを大人扱いするゥ~!」
 
オッキーはうちらのオモチャだJO!2013-12-29 07:31:46
 
 . 「大人になったり、子供になったり。 ほんとに、聞き分けのない子やねえ」
 看護師は、呆れた表情で、右手で皺だらけの口元を扇いだ。
 その通り。松本則彦は我儘(わがまま)な、エエ家(とこ)のボンボンである。なんといっても、何度も言って悪いが、我慢こそ体の大敵と信じ込んでいたのだ。
 「何度も、お名前を呼ばれとるのが聞(わか)らへンの?
 どーせ、また淫らな妄想に耽ってたンでっしゃろ?」妖艶を通り越して、気持ちが悪くなる微笑を浮かべて、恐怖の脱衣婆が続ける。「じたばたせェへんと男なら男らしく、おとなしゅう、先生のお縄を頂戴せえへんかい!」
 則彦という男は、前述したように、異性に対して免疫がないだけではなく、我儘放題し放題に育てられた、格好良く英語で言うところの「ネイチャー・ボーイ」であり、「チェリー・ボーイ」なのだ。 度々失礼!エエ家のボンである。たとえ相手が100を過ぎた妙齢過ぎるほどの女性であっても、抵抗できるわけがない。
 看護師の言うがままなら則彦(ユー)はパパ状態、だ。年齢を顧みずに豊満な体に撒き散らかした、キツすぎる香水の匂いに敵(かな)うはずがない。放心状態に陥(おちい)ると敢え無く、さっきまでの勢いを失い、口ほどにもなく項垂(うなだ)れてしまった。
 宝塚の肉団子と笑われていた則彦の許(もと)に、ペパーミントみたいな一服の涼風を運んで来てくれた、世間知らずどころか「全ての日本男児は『侍』」と信じてやまない(と思う)、ブラジル生まれのはずな彼女の跡を追うことなどスッカリ忘れ、シッカリと親猫に睨まれた仔猫のように、おずおずと診察室へ消えて行く則彦。ウッカリ者だゾ、マッチー。ガッカリだ…。
 
オッキーうちらのオモチャ?卑猥でない?By(キリ!)2013-12-29 07:42:57
 
 「園長先生、こんにちはぁ~」
 「内科の先生、こんにちはァ~」
 「毎日、元気にクズ肉肴(さかな)に、安酒飲んでまっかァ~?」
 「飲んでる、飲んでるゥ~!」
 「運動やってまっかァ~?」
 「してへん、してへん~!」
 「体にエエこと、何(なん)ぞ、やってまっかァ~?」
 「してへん、してへん~!」
 「ほなら、なして病院、来るんでっか~?」
 「美人の看護婦はんの臭(におい)嗅ぎに来まん」
 「こンの、アホンだら~!」
 「先生なァ~…なして、保育所のノリで診察するンだっか?勘弁したってェ~な…ワテを慕わないでェなァ~。押し倒さンでェ~なァ~」
 相変わらず場の空気を読まない寒いギャグを連発するも、そこは曲がりなりにも”経営者”である。肝腎な話のツボははなさない。学生時代の部活において、迂闊で粗忽(そこつ)な装(ふ)りをしながらも、ジックリと、核心へ迫る術(すべ)を落語愛好会で学んで来た?則彦だけに、押さえるツボ(ところ)は、餌を目にしたブタのようにはなさない。
 そして、テニスのサーブを打つ選手みたいに荒い息遣いと、リンボーダンスのイヤラシイ腰使いを真似ながら、昨夜の酒盛りが消化しきれない臭い息を吐き出す口元を内科医に寄せて行(言)った。
 「ところでなァ~先生…昨日、保育所(うち)の保母はんから『過激男病院の先生から告(こく)られた』いうて、スンゴイ迷惑そうな貌(かお)で相談されたンやが…その件(こと)にで話がしたいンや。
 …看護師(おひと)払いしたってンか?」
 ただでさえ、満員の海水浴客に潰された弁慶蟹みたいに無残な造作をした則彦の顔が、グイっと内科医の前に差し出されたのだからたまらない。そりゃあ、驚いてチビッてまうがね…。
 内科医は、小さく咳払いをしてニンニク臭い則彦の口臭を払うと、小声で看護師たちに呟(つぶや)いた。
 「あぁ…き・キミたち。これで、ホストクラブにでも行って、時間つぶして来たってェな」
 
オモチャなオッキーの方が卑猥By(カナ!)2013-12-29 07:52:07
 
 「やっだァ~先生ェ~、今時500円で入れる風俗あらしまへんでェ~」
 「だあよね~、だあようね~、そうだあよね~!」
  則彦は持ち前の能天気さをイカンなく発揮して、ブヨブヨに弛(たる)んだ胸元から、駝鳥(オーストリッチ)の長財布を取り出して見せた。
 「これ、なァ~んだ?」
 「駝鳥(オーストリッチ)の、お財布じゃない?!高いんですよね~」
 「なァ~に、ウットリ見てるンダッカァ~?
 ワテのことは汚物を見るような視線(め)で見るくせに…メッサ腹立つなァ!
 ええか?これは、模様(ここ)押すと御利益さんが出て、金持ちなるンやでェ~!」
 「ホンマかいな、そうかいな?!園長先生、教えてェ~ん!」
 「オーストリッチやさかい、押すとリッチ(金持ち)になるンや」
 静まり返った診察室に、則彦の笑い声だけが、高々と響き渡っていた。が、それも束(つか)の間。則彦は、自分の寒いギャグが受け入れられていないことに気が付くのだ。
 場面転換には人の頬を札束で叩くにかぎる―金持ちのボンボンキャラで売ってる東京のJr芸人の銘言である。その言葉が、冴えない中年オヤジの見えない頭の中で、チンマリ鎮座ましましている銀座の賑やかさで落ち着きのない脳味噌に蘇って来た。
 則彦は努めて笑顔で、長財布から福沢諭吉が描かれた数枚の札をとりだすと、気前よく、でも哀しそうな複雑な表情でバラが咲いた…じゃない!ばら撒(ま)きながら言った。
 「ほうら~建前(たてまえ)の御祝儀でっせェ~!
 ギターショップへ委託で出しとったヴィンテージ・ギターが5本も売れたンや!ええやろ?ええやろ!
 ワテ、嫁も子供もおらへんが、金、持ってまンねん!
 こいで、ワテの顔を建(た)てたっておくんなましィ~!」

 こ・こりィ…そがあな金があるんなら、『“自分への御褒美”としてマーティンのヘリンボーンHD-28E』なンぞ買(こ)うてないで、アンタが風俗行きなはれ…ぴょん!
 
オッキーはオモチャじゃなくて、マンガみたいな人間By dru娘2013-12-29 08:02:03
 
 「さっ、看護師(邪魔者)は消(の)うなったで、センセ?」
 則彦は笑っているつもりなのだが、内科医には、とてつもない悪鬼の形相で睨まれているようにしか思えない。なんたって、残飯に集(たか)っていたゴキブリをスリッパで叩いて擂粉木(すりこぎ)で潰したような顔をしているのだから…い、いて!?誰だ、殴(ぶ)ったのは!
 話しを本筋(元)に戻そう…それだけ、彼(則彦)は本気だったのであろう。そう、切羽(せっぱ)詰まっていたにちがいない。なんといっても、則彦の恋人は、マーサだけしかいいないのだから。
 ここで、プチ情報。このブログの常連さんならば、マーサが金髪や栗毛の美人さんではないことぐらい先刻ご承知のことと思われる。
 そう、その通り。マーサは人間ではない。
 だからと言って、南極1号でもなければ、典雅でもないのだ(よい子のみんなは、お父さんや、お母さんに聞いてはダメだよ!このブログのコメ欄から、埼玉のオジサンに訊いてね!)
 そう、マーサとは…ビートルズ好きが高じて罹(かか)った外人コンプレックスから、矢作川(やはぎがわ)の上流から段ボール箱に入れられて、ドンブラコッコ・スッコッコと流されて来た、ゴールデン・レトリーバーの仔犬を拾って来て名付けた、則彦と違って上品で毛足の長い、愛嬌のある可愛く澄んだ瞳(目)をした愛犬の名前だったのだ。知らなかった人への、プチ情報だよ!

 「園長先生…」
 内科医は、誰もいなくなった診察室を確認するように、周囲を見回しながら、右手を則彦の前に差し出した。
 「いまさら、握手かいな…難儀な奴っちゃな~」
 そう言うなり、思いっきりマシュマロを踏み潰したようにブヨブヨした苦労を知らない左手を差し出した。
 すると内科医は、触りたくもない汚物―則彦の腕を、思いっきり、叩き払った。
 「園長先生…魚心あれば…?」
 
夜明けの生姜ココア、置いときますよBy STO2013-12-29 08:09:52
 
  「下心。でんな?このスケベ!」
 「ちがう、でしょ?!アンタって人は、面白くもないギャグを、面白いと思って無暗(むやみ)矢鱈(やたら)と連発しくさりおって、腹立つなァ…黙って右手差し出されたら…」
 「そりゃあ、握手でっしゃろ」
 「ウン、よろしくね~…って、バッカ野郎ゥ~>ッカ野郎ゥ~>野郎ゥ~>ゃ郎ゥ~>郎ゥ~…>」
 「独りエコー、楽(たの)しいでっしゃろ?横浜に住んどる、悪童中年、オッキーの発案なんやで。知とった?これ、プチ情報、やでェ~(…ぴょ・ピョン?!あんた、エエ奴っちゃな~)。
 ほいでなァ、先生。話というンは…さっきのエキゾチックな美人はんのことなんンやけど…」
 「ああ。白血病で、あと2、3ヵ月の命のマリザちゃんね…はっ、しまった!患者はんの秘密を守らなアカン“守秘義務”を、誰はばかることなく、言ってもうたァアあ~!」
 「って、説明口調の棒読みやったで?
 ほいでもって、とんでもなく長い前振り(枕)を帳消しにするような、とてつもなく簡略にして明快な説明にしてくれはって、ありがとネ。
 ほいじゃあ、ぼくは、これで…グッドバイ、グッドバイ、グッドばいばい♫」

 あ あ、なんという運命の悪戯(いたずら)なんだ。そして神様は、なんて残酷なのだろう―則彦は「白血病で2,3カ月の命」という言葉の重みに耐えられず、天を仰(あお)いで、絶望の2文字を繰り返しながら、何処で買ったのかも忘れてしまった焼き芋を頬張っていた。
 止めどなく襲われる深い悲しみと不安に苛(さいな)まれる神戸の保育所所長にして売れないシンガーソングライター。そして、ブログを会ったこともないから当然、見たこともなければ話したこともないアカの他人様に依存する則彦。
 「ワシと云う男は、ドンダケ、罪作りな男なンや…モテ過ぎる自分がやンなるで」
 口許(くちもと)についた焼き芋の黄色い滓(かす)が茶色く変色しても拭(ぬぐ)うことなく、グッチャクッチャと音を発(た)てながら、下品に食べ続けている。
 食べることで満腹中枢が刺激されて、多幸感に浸(ひた)っているのか、とめどない雑感が、次から次へと湧き上がって来ていた。
 
ホントにオッキーの頭の中は玩具箱みたいに散らかってるBy輝美2013-12-29 08:25:27
 
  そや!突然だから予期せぬ出来事である異国での衝撃的にして不幸な出来事に、あの別嬪(べっぴん)はんは、思わず色男で金と権力(力)はあるけど華(はな)がない(ホットケ!)ワテに助けを求めて来たに違いないンや―則彦お得意の独り合点な御都合主義の妄想が、ムクムクと頭を擡(もた)げて来た。
 なのにワテときたら、そがあなことも知(わか)らずに、メリハリの無い体から繰り出す、粋(いき)で愉快で明快なハリウッド・ジョークで、駝鳥(だちょう)のような大きな彼女の胸を、バーベキューのようなオッキナ鉄串で傷つけてもうたンや。
 「あ~あ」則彦は、触(さわ)られると反射的に「クルっ・クル~」と囀(な)いてしまう、Cカップはありそうなほどダラしなく弛(たる)んだ胸に手を当てた呻(うめ)いた。 「む、胸が切ない…これが、恋の甘い痛み、いうやつなんか…鯉の洗いは知(し)っとるが、同じ生臭(なまぐさ)なら、人間の方がエエに決まっとる。
 この切ないほどに甘く疼(うず)く胸の痛み…チクチクして、やがて締め上げて来るような切ない痛みこそ、恋なんやァあ…この真綿で締め上げられるような痛みに耐えてこそ、ワテは、真物(ほんまもん)の男になって行くや…あ・っあ、ああ~…アカン…絶えらへン……ふ、不整脈や…誰か、助けてんかァあ…と。と・寅ァ…に、電話しちゃおう!ぐゥおォ~む・胸がァアあ~!?」
 
1銭にもならんことにムキになるアホンだら~ッス2013-12-29 08:29:26
 
  「そうか…エキゾチックな雰囲気のマリザちゃんは、 勝手に、ブクブクに肥え太ったマッチーのデブった体に、自分の父親を重ねてしまったのか…可哀想に」
「こ・こりゃあ、心臓外科病棟に入院したバイト時代の仲間を放(ほか)して、ナニ、勝手に話を進めてンねん!
 てか…なして、寅はん、神戸(ここ)に居(お)ンねん?」
 「古井戸に猫が怨念(おんねん)…って、お前が、あと一歩でタコを仕留めることができる寸前の俺に電話して来て『後生(ごしょう)やから、死ぬ前に1度、逢いに来たってェ~な』なんて涙ぐむから、慌てて飛んで来たんだろうが。はい、旅費の請求書!」
 「まっ、安(や)っす?!なして、自家用ジェットで飛んでこんかったん?!」
 「そんなモン、俺もお前も持ってねぇじゃねぇか」
 「…いやァ~、さっすが売れない広告屋やな…飛べもセンくせに飛んで来たなンて、大袈裟に話を膨らましはって、他人様(ひとさま)の注意を惹(ひ)くンが上手いもンやで」
 「飛んで来たっていうのは…ば、バカ野郎。成り行き上でた、言葉の綺(あや)ってヤツだろ?この、分からず屋のコンコンチキめ!
 俺の実家である団子屋の裏にある、うらびれた中小企業に属する製造業科の、ヤサグレタ社長(タコ)を、もう一歩で仕留められたのに…」
 「ほっかぁあ…このクソッ寒い最中に海水浴の最中やったンかあ…そりは、お楽しみの最中に悪いことしてもうたなァア。
 お詫びのしるしに、こイで神戸の美味いもん、好きなだけ食べてって」
 「お前ってやつは…松の字。たまに会うと、友達思いのイイ男(やつ)なんだな…」
 「”たま”が余計(おおい)やろ…」
 「見たことあんのか、俺の玉?」
 
たま?あっ、タマが来りて笛を吹くね?By輝美!2013-12-29 08:34:57
 
 「そがあな汚(きた)な物(モン)、誰が見るかいなッ!
 余計(よけい)なこと言っとらんで、神戸名物明石のタコ焼きの1つも、食べてきなはれ」
 「お前ん保育所(とこ)の経営、そんなに逼迫(ひっぱく)してたのか?
 わかった、何も言うな。
 ここは、俺が、お前の病室(とこ)に来るであろう見舞い品を総て持って帰るということで、手を打ってやろうじゃないか。
 友達思いの、イイ男だろ?松の字」
 「アホ、か。それこそ言葉の綺、いうもンでんがな…ホントはワシも一緒に行って、旨いモン沢山(ぎょうさん)喰わしたってやりたいンやが、ワテは、こんな体やさかい…うっ!む・胸がァア~!?」
 「ど、どうした松の字?大丈夫(でぇじょーぶ)か?松、死ぬなっ!
 いま、主治医(医者)か看護師(看護婦)さん、呼んで来てやるからな…って?!何ベルサーチの高級スーツを引っ張ってんだ?」
 「あ・アホんだら…体型矯正下着が小(ち)さくて、胸が締め付けられとンじゃい。
 「死んでしまえ、お前なんか。補正下着か矯正下着か知しらねぇが、お前だけは許しておけねェえ。たとえ神様・仏様。サンズイに青い水の人が許しても。この俺様が許さねェ…死ね、頼むから死んでくれ!世の中のため、俺のために、その必要以上に貯め込んだ脂肪を葬祭場の窯(かま)で、ウエルダンを通り越した骨にまで焼いてもらってくれ!」
 「ちょ、チョーク、チョーク…こまかこと気にせんで、しっかりワテから分捕(ぶんど)った金持って…ワテの分まで、あんじょう楽しんで来てンか…」
 「…ふん。いつも、ヒン・ヒン空ッ尻(からっけつ)鳴らしてた松の字にしては、えらく気前がいいじゃねか…さては、お前。もう、ながく…!?」
 「…ああ。長ァいネックのギター売っ払(ぱっろ)うて、生活のタシにしたんや…って、こな、アホンだら~!
 高血圧と糖尿病に怯えるほど、酒と肉と砂糖を、好き放題に飲み食いしとる庶民派のアイドルたるワシが、なして早死にせなアかンのじゃッ?
 長く愛用して来たギターちゃんたちゃあ、そんじょそこらの安物(バッタモン)とちゃうで!埼玉の広告屋が逆立ちしても買えん銘器ばかしじゃ、アホンだらーっ!」
 
ま~だ?帰ろうよ~Byガーマちゃん2013-12-29 08:45:27
 
 「そうかあ。長い間、名器に金を注ぎ込んで来たのかあ…せいねん。お前って奴ァ、正真正銘、ドが付くスケベだったんだなあ…女遊びしてちゃあ、長くはないわな」
 「こンの、どアホー!よい子のお父ハン、お母はんらも読んどるっちゅうに、よりによって、何ちゅう不謹慎な発言を繰り出しやがるかあ~!
 もうええ…これ以上、お前はんの顔(つら)見てっと、ホンマに心の臓がオカシなるわ。
 帰って新しいギター買うよって、お見舞いの金だけ置いてって、早(は)よ帰(い)ンどって」
 「い・インするのかァア~?お、お前にィィい?!
 …いくら老い先ながくないからって、それだけは勘弁してくれ!
 俺が悪かった。この通り謝るから、今までのことは水に流してくれ。このとおりだ!なっ、松の字。
 長い付き合いだったろ?長くない松の字の分まで、楽しんで生きてやるから…な?それで相殺(チャラ)だ。勘弁してくれ。このとおりだ!」
  「アホ。誤(あやま)った謝(あやま)り方されても、わややがな…だいたい、長くないのは謎の美人はん…」
 「リンダちゃんなら、残された命がわずかしかないのも知らずに、さっき、退院してったそうだ。
 たぶん、いま追い駆けてったら、間に合うんじゃねェか?
 もっとも、不整脈の人間が走ったら…ねえ?そりゃあ、まずいやね~」
 
よかった、出番があってBy仲ちゃん2013-12-29 08:51:42
 
  「お・おんのれ~…見舞いに来ときながら、病人オチョくって楽しンどってからにィ…呪ったるさかい、覚(おぼ)えとれよ~ッ!」
 則彦は、イタチの最後っ屁のように吐き捨てると、短い脚を交互に出しているつもりが、右手と右足を一緒に出して歩くような、器用なのか不器用なのか解らないスキップ―通称「欽ちゃん走り」を踏みながら、寅の視界から消えて行った。
 「お、おい…松の字!パジャマを着替えて行け~!?次のバスまで、1時間あるぞ~!!」
 「あ…アホンだら~…なして早ヨ、それ言わんかい…って、む…胸がァあ…ふ、不整脈がァ…」
 則彦は男の割には女性も羨(うら)む左右に弾む胸を抱えたまま、「この体験を『あなたが主人公の短編小説を作ってみませんか』などとコメントして来やがる、埼玉の広告屋が提唱する自費出版社で発売したる!」と締め上げられるように痛む胸に誓いながら、廊下に崩れ落ちて行った。
 
はッ、9時だ?!BYオッキーナ!2013-12-29 08:55:48
 
 Re:「さっ、看護師(邪魔者)は消(の)うなったで、センセ?」 >埼玉のオジサン

『南極1号と典雅』って、なんですか?
教えてくださいm(__)m2013-12-29 20:06:54
 
 
 Re:もう広告屋から足を洗ってるから、勘弁してくれィ~!
 
52. Re:Re:「さっ、看護師
(邪魔者)は消(の)うなったで、センセ?」
>教えてくださいm(__)mさん

南極1号は、
難局にぶち当たった時に食べる
イチゴのことだよ!
典雅は、
上品な味のコンニャク?
その弾力性が堪らないらしいよ!

おじさんは、両方とも食べた事が
ないけど、マッチーは食通だから
もしかしたら…
埼玉のおじ2013-12-29 22:58:13
 
 
 胸が締め上げられるような心の痛み― そう、マリザ。君に逢わなければ、こんな切ない思いを味わうこともなかったのに…眩く燃える太陽のように光る瞳(め)と、滑らかな唇。全てが愛しいよ。
 あの時、再び君に逢わなければ、こんなツラい思いをせずに済んだのに。
 そう―あの時、声さえかけていなければ…マリザ、きみが愛しいよ。

 「やあ、奇遇でンねンな」外出着である一張羅(いっちょうら)の、いまではヤクザさえ敬遠するであろう説明しがたいまでにド派手なファッションへ着替えた則彦が、バス待ちの長い列に割り込み、エキゾチックな南国(ブラジル)娘に声をかけた。  
 「ユー、何て名前?よかったら、病院(向こう)で一緒に、点滴打って行かない?」
 点滴のボトルケージを提(ぶ)ら下げたままの情けない風体(ふうてい=格好)で放った則彦、渾身の”練りに練り込んだ”一撃必殺と思い込んでいる、口説き文句だった。
 
うまい!さっすが~埼玉のおじ…オッキーナ!2013-12-30 06:34:43 

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