「
食堂(部屋)の扉(ドアー)を開けて逃げ出したりなんか…したいも~んッ
…ッて、勝手に開いて、眩(まばゆ)いばかりの光と共に誰かが入って来たァああ~…つっかまえた
一緒に踊ってェ~なァ~、えんた~てえ~な~ッ
」




光るタイムスリーパー
「円卓の騎士よ、期待していた体験は…っと?!何処じゃ、ここはッ!って、愚(おろ)か者、妃(わらわ)をなんと心得る!え~い、その小汚く脂ぎった手を離さぬか…この成人病オヤジ!」
「成人病オヤジって
…ワテは、宝塚市の保育所のⅭ.E.Oでんがなァああ~>ァああ~>ああ~>あ~>~>
」


「なんなのォ~、桐子先生![]()
![]()


だっ、誰
!どっから出て来たのッ![]()
」



「所長(せんせい)。また、ショーパブの女の子、お持ち帰りして来たの![]()
?!保母(私たち)と云う女性がありながら
…信じられないッ
!JO!
」





「あっ、昨日の皿洗いをしていた丈姐さんッ
。ちが、ちが…違うんやァああ~ッ![]()
!成人病のワテには、そがあな元気など…
」




「ないの?キリ!」
「今晩、試してみるゥ
?」

「クレオパトラ7世…dru娘Ⅱ」
「
くぅれおぱぁとらぁ~ッ?!だすかァああ~
」


「エジプト、プトレマイオス朝の最期の君主(ファラオ)」
「寅娘Ⅱ先生
…物知りだんなァ…
」


「でも、どうして、そんな有名人(ひと)が、保育所に…キリ!」
「せ、せやで
…アンタはん、保育される齢(とし)ちゃいまんがなァああ~
!保育云うより捕獲したいほど、そそられる別嬪(美人)さんや~ん
なあ、出来損ないの豆腐を鉄下駄で踏んづけられたような顔しとんのに得意げなパンチパーマかけた、角張ってる不審者のオッサン![]()
」





「(何も言わず微笑んでいる)…」
「これって、もしかして…昨日と同じように…キリ!」
「その方、妃(わらわ)を知っておるのか?」
「知らんがなァ…
」

「所長(先生)には訊いてませんっ
!キリ!」

「めんご
」

「父はプトレマイオス12世、アウレテス。母はクレオパトラ5世で、兄弟は姉のベレニケ4世、妹にアルシノエ4世、弟2人―プトレマイオス13世、プトレマイオス14世がおられます。
『王妃クレオパトラ』の名は、ギリシア語で『父の栄光』に由来しています」
「まぁた、昨日に続いて、スンゴイのが来たもんやなァ~
。てなもんや三度笠ァああ~っ
」


「誰(たれ)か、そこな成人病もちを黙らせてはくれぬか。ガラガラの濁声(だみごえ)が気に障(さわ)る…で、その方。
妃(わらわ)とは異質な種族に見えるが、どうして言葉が通じておるのだ」
「多分、王妃様が、我々の言葉に同調(あわ)せてくださっておられるのかと」
「妃(わらわ)が?…まァ、よいわ。
…それにしても、オクタヴィアヌスは、どうしてこのような世界(場所)へ妃(わらわ)を連れて参ったのだろうか?
寅娘Ⅱ(お前)。なにか知っておるか。知っておるのだろう?隠すと身の為にならぬぞ…チャッチャと白状せいっ!」
「オクタヴィアヌス‐クレオパトラの愛人だったアントニウスを倒した、古代ローマの実力者です」
「三角関係ッ![]()
ほな、お水系やったんか、この女(ひと)
…ワテの好み(タイプ)や~ん
仲良うしてェええ~なぁ~、えんた~てえ~…ウグ、ッギュっ![]()
!?」






「え~い、寄るなップニュ・プニュ親父っ。成人病が染(うつ)る!」
「ワテの成人病は接触感染せんのにィ( ノД`)シクシク…」
「それにしても、ここは何ぞえ?ローマの建物でなければ、蛮族の文化でもない。まったくもって面妖な…」
「アホンだら~ッ![]()
ここはなァ~、宝塚いち…いや、世界一の保育所やがな~![]()
」




「保育所?」
「せやから、ワテと一緒に、保育する子供つくろ~
」

「寄るな!汚らわしい…」
「あっ痛(て)ッ!![]()
」


「王妃クレオパトラ7世様。保育所とは、礼儀正しく、健康的で、豊かな感性を育(はぐく)む、人間形成の場所で御座います」
「この成人病もちみたいにか?」
「ヴぁああ~ッ
今、ワテを蔑(み)て嗤(わろ)うた![]()
ワテを蔑て嗤(わろ)うたがなァああ~ッ![]()
![]()





ひーん、市長はんや県知事はんに云い付けたるッ
。国会議員かて知っとるんやで、ワシっ!?![]()
」



「騒々しい輩(おとこ)だの…このような粗末な場所、このようなみすぼらしい施設(ところ)で満足な教育などできるわけがない」
「なんだか、すんごい上から目線ですね…キリ!」
「所長(先生)とは違った意味で腹立つわ」
「女子(おなご)の奴隷がおおい様子(ところ)から窺(み)るて、ハーレムかと思ったぞよ。
さっ、奴隷ども。もっと、まともな場所へ案内(あない)せい」
「奴隷ッ?!キリ!」
「まあ、確かに時間と体力を搾取されてはいるが…保育大会で2位にまでなった実力者に対して、あんまりだJO!」
「クレオパトラはんか、クレヨンぱとちゃんか知らんけどなァ
、こがあな見すぼらしい保育所かて、そんじょそこらの国立大学にゃあ負けんくらいの人間形成を
…痛(い)ったッ![]()
」




「無礼者っ!妃(わらわ)に対して、なんという口の利(き)きようかッ。恥を知れっ!」
「お客様。当保育所の成人病もちが、失礼な物言いをいたしまして申し訳御座いませんでした。
しかしながら、この成人病もち。人間形成―教育にかける情熱だけは確かです。性格的には問題が御座いますが」
「ど、寅娘せんせッ
」

「『食べているものを言ってごらんなさい。そうすれば、どんな人か分かるから』とは、フランスの美食家ブリア•サヴァランの言葉です。ちょうど今、昼食時間です。王妃様も御一緒に如何(いかが)でしょうか。
見た目はブクブク・プニョプニョで気持ち悪い成人病もちですが、思いやりの心を込めて調理された食材の数々に必ずや、お心を打たれるか思われます」
「ほう、ならば賭けてみるか?我が王家に伝わる真珠に見合うだけの料理であるか。もしも不味かったら、お前たちの命を貰う」
「ほいなら、ワテの料理を気に入った時ゃあ、どないすんねん」
「その時は、妃(わらわ)に頂戴」
「なんやそれッ
、ダメダメやァああ~んッ
…痛(い)ッたァああ~ッ![]()
…昨日から、親にも殴(ぶ)たれたことない顔を叩かれどうしやでぇ
…もう、女優になれないィいい~ッ![]()
」






