これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
下記に関連書籍(青文字クリックで全文が通読できます)を、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
(故マックス・ゲルソン 著)
ゲ ル ソ ン 療 法 治 癒 し た 5 0 人
(故マックス・ゲルソン 著)
(マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
(ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー)
(5生存率0%の大腸ガンから肝臓へと転移した医師、星野仁彦:著)
(日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―消化器外科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(済陽高穂 著)
(日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
(2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
P.188 禁断のアルコール
その頃、私(星野仁義彦)は今村氏と電話で話しながら、厳しい指摘を受けたことがある。
「やっと、私(星野)なりのゲルソン療法が確立できそうです」
「検査の結果や体調に変化は、ありませんか?」
「検査結果も体調も良好です」
私(星野)の口調に油断を察したのか、今村氏は私(星野)を戒(いまし)めるように話し始めた。
「早過ぎる安心は、命取りになります。厳しい食事制限を1年、2年と続けていれば、元の食事に戻したくなる気持ちは分かります。完治したように思いたくなるのも仕方がありません。しかし、ガンという病気は実に執念深い。厳格なゲルソン療法といっても、そう簡単に完治させることはできません。これからですよ、星野さん」
今村光一とは - 自健会
食事を元に戻すと再発を招く危険性がある。今村氏の指摘は鋭かった。ゲルソン食から普通食に戻すことは考えていなかったが、体調の良さから自分の気持ちが緩(ゆる)かけていたことは事実だった。少し食事制限を緩めてもいいかな、と思う日が増え始めていたのである。
パーティーや宴会に参加する日が、まさに、そういう日だった。
ゲルソン療法を始めて3年。私(星野)は誕生日などのごく限られた日を除いて星野式ゲルソン療法のルールを厳格に守って来た。前述したが、パーティーや宴会に参加する時は、会場へ入る間にゲルソン食でお腹(なか)を満たし、美味しそうな料理を前にしても食欲がわくことのないように努めて来た。
裏を返せば、それだけ私(星野)が食べる楽しみの誘惑に弱い、ということでもある。
この弱さはゲルソン療法が上手く云っているという思いが強くなるにつれて、しだいに前面に出て来るようになっていた。そしてついに、パーティー会場で誘惑に負けた私(星野)は、酒を1,2杯飲んでしまった。
「死ぬかもしれない」という恐怖心があれば、厳格な食事制限を実行するのは、ある意味で容易である。死から逃れるためならば困難なことにも打ち込めるから、だ。この場合、「困難なことを実行しているから」と云って、それが「意思が強い」ということではない。ただ「死にたくないから、何かをしているに過ぎない」のである。
本当の意思の強さは恐怖心が薄れた時に試される、のだ。ゲルソン療法を始めて3年が過ぎた私(星野)は、まさに、そういう時期だった。
そろそろ、ガンの再発は防げたかもしれない―そんな希望的な観測が見えて来ると安心感が生まれてくる。そんな瞬間が恐怖心を覆うようになると、楽観が強くなってくる。それでも意思の強い人は、完治を確認できるまで厳しいルールを守り続けることが出来る。しかし意思の弱い人は、簡単にルールを破ってしまう。まだ完治したわけではないのに、「厳しいルールはもう必要ない」と、思いがちになるのだ。
私(星野)は意思の弱い人間だった。つい酒のグラスに手を伸ばしてしまった。
冷静に考えると、酒を飲める状況ではないことが判(わか)る。肝臓へガンが転移してから3年しか経過していない状況である。転移の時点における5年生存率は0%、ゲルソン療法効果によって毎月の検査結果が、どんなに良好でも5年生存率が100%に上昇したと考えるのは無理がある。客観的に見ると楽観できる余裕はなかったはず、だった。それでも私(星野)はアルコールを口にしてしまった。