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Channel: 新・イメージの詩
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国家試験と結婚

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   これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。
 下記に関連書籍青文字クリックで全文が通読できますを、無断転載させていただきましたので、よろしければ御参考までに、お読みください。
 
 (故マックス・ゲルソン 著)
 (故マックス・ゲルソン 著)
 (マックス・ゲルソン博士の3女が記した本)
 (ゲルソン博士による、ゲルソン療法により完治した患者へのインタ ヴュー
(5生存率0%の大腸ンから肝へと転移した医師、星野仁彦:著)
 (日本人だけなぜ、がんで命を落とす人が増え続けるのか―化器科の 権威がすすめる驚異の栄養・代謝療法
  (済陽高穂 
  (済陽高穂 
 (済陽高穂 
 (日本におけるゲルソン療法実践医師による対談・比較集)
 (2冊とも星野先生が実践された中野良一医師の著作)
 
抗がん剤治療では治らない!」――現役の医師が生き延びるためにまずしたこと、それは抗がん剤を拒否することだった。 大腸がんを患い、肝臓への転移が見つかったとき、突きつけられた数字が「5年生存率0%」。この数字は病院のいかなる治療を受けても、5 ...
 
 
 
 
P.36 国家試験と結婚
 
 病院の手伝いをしていた、日曜日のある日。私(星野仁彦)は寝惚け眼(ねぼけまなこ)をこすりながら、いつものように通用口から病院に入り、ロビーを通り抜けようとした。その時、事務室から予期せぬ声をかけられた。
 「おはようございます」
 日曜日の事務室は誰もいないはずだった。私(星野)はあたりを見回して、1つだけポツリと点(とも)っている蛍光灯(けいこうとう)の下に目を向けた。1人の女の子が立ち上がって、私(星野)を見ている。それが妻だった。
 ほどなくして、どちらからともなく私たちは付き合い始めていた。そして私(星野)が25歳の時、妻との結婚を決意した。医学部の学生としては早い結婚だったかもしれない。(1975年)当時の私(星野)は、まだ医師国家試験に合格していなかったのである。無職の男がプロポーズするとは、今さらながら私(星野)は相当な自信家だったのかもしれない。それを受けた妻も妻、だが。
 結婚3か月前、式場の予約をした私は、ある決断を妻に話した。
 「万一(まんいち)―万が一だけど、国家試験に落ちたら…どうしようかな」
 「どうする?」
 妻は私(星野)の答えが判っていたのか、催促(さいそく)するように聞き返して来た。私(星野)は1度、深呼吸をして話を続けた。
 「万一、国家試験に落ちても、もう1度受験しようと思う。だから…」
 「いいですよ。2人だけならばなんとかなります」
 妻に先回りされてしまった。私(星野)は試験に落ちた時、妻に暫(しばら)く食べさせてもらおうと思っていたのだ。桜ヶ丘病院で事務を続けていた妻は、私(星野)よりも稼(かせ)ぎがあった。
 「でも合格する自信がないんですか?」
 「そんなことはないよ。万が一の話。あくまでも、万が一、だから」
 強がっては見せたが、不合格になる可能性がないわけではない。私(星野)は背水の陣腎(はいすいのじん)で国家試験に挑(いど)んだ。
 結婚式は520日、国家試験の合否発表は527日だった。合格通知を手にした時、私(星野)は初めて夫婦になれた、と思った。
 福島医大神経精神科に入局した私(星野)は、自閉症や摂食障害・ADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害)・不登校などの児童精神医学を専攻することにした。ただ研修医期間の私(星野)の稼ぎは、研修助成金の数万円と週に1度のアルバイト代だけだ。結局(けっきょく)、妻は結婚後も5年間働き続けることになった。
 稼ぎは少なかったが、児童精神医学の奥深さに私(星野)の探究心は刺激された。同時に、大きなストレスを抱える仕事だということも痛感した。
 精神科には性格温厚で人格的に問題がない患者は、ほとんど訪れない。わがままな人・自己中心的な人・妄想を語る人・キレやすい人・暴力をふるう人…。精神的に何らかの異常があると思われることが受診理由なのだから「当然」と言えば当然である。
 キャリアの浅い私(星野)にとっては、彼らの話に耳を傾けるだけでも相当な労力と忍耐力を要した。アドバイスの言葉も、神経質になるぐらい慎重に選んだ。精神科医の診療は対話が基本である。精神科医にとっての言葉は、外科医のメスに等しい。自分自身の感情を表に出さず、冷静に話かける。患者の感情に振り回されていては仕事にならない。
 ストレスを感じながらも、さまざまなタイプの患者を診(み)て行くことで、達成感を味わう機会も少しずつだが増えて行った。

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